或る日、朝起きてみると、祖母がいなくなっていた。
母が とても心配していると、夕方になって帰って来た。 何処に行っていたのか、聞いてみると 向こうの畑で、山に向かって座り、朝から夕方まで 「お父さんよ、兄さんよ、小夜よ、明よ!早く帰って来い!」 と声の限りに、叫んでいたという。 それから祖母は 「私 今日から肉でも何でも食べて元気になって お母さんの力になる。」と言った。 「肉は穢れていて汚い。」と言って、鍋もかしてくれなかった祖母は、 うさぎの肉、牛の肉、鶏肉と手に入る肉は、それから何でも食べた。 ソ連上陸により、私達四人が何処にいるか分からなくなり 精神的に極限に達した祖母は、山に向かって叫んだのである。 聖書に 「私は山に向かって目を上げる。私の助けは、どこから来るのだろうか。 私の助けは、天地を造られた主から来る。」とある。
by sayo_71
| 2007-02-14 19:35
| 母
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